ベトナムの基礎知識12(最終回)

ベトナム不動産投資の基礎知識【最終回】
外国人投資家の参戦…法改正で激変したベトナム不動産市場

今回は、住宅法の改正で大きく変化するベトナム不動産市場について見ていきます。 ※本連載は、株式会社エスパシオコンサルタント代表取締役・有馬壽志氏の著書、『ベトナム不動産投資』(あっぷる出版社)の中から一部を抜粋し、 ベトナムの不動産投資で成功するためのノウハウを紹介します。

外国人の不動産投資を解禁したベトナム

ベトナム国内における大きな変化は、公共事業による都市機能の整備だけではありません。それが、2015年7月に解禁された「ベトナム住宅法」の改正です。

実際、あれほど外国人の不動産投資に厳しかった国が、いきなり戸建て住宅の購入も可能になるとは、想像もしていませんでした。 そして、ベトナムの不動産事情は、すでに激しく動き出しているのです。

ちなみに、ベトナムが外国人の不動産投資に厳しかったのは、中国に対する警戒であるといわれています。歴史的にベトナムと中国は紛争を繰り返しており、 近年は南沙諸島の領有権を巡って死者も出るほどの緊張が続いています。外国人に解禁するとたちまちチャイナマネーで不動産を買い漁られる危険性があるため、 なかなか踏み切れなかったのでしょう。

しかしリーマンショック以降不動産価格が暴落し、不良債権が増加したことから、政府も重い腰を上げたというのが実態です。 ベトナムではコンドミニアム完成後未販売戸数が4〜5万戸あるといわれています。この状況を改善するために外国人に解禁して、投資を呼び込むことにしました。

そのため「入国許可のある外国人」といった法律を作り、入国許可の制限によって購入できる国とそうでない国を分けることにしたとのことです。 これによって、中国からの不動産投資は難しくなると思われます。

ベトナムに投資をしている国の投資額No.1は日本ですが、それ以外に韓国や欧米企業、オーストラリア等が投資しており、それらの国のビジネスマンからの要望と、 ベトナムが好きな世界中の投資家からラブコールが送られていたことは間違いありません。そのため、2008年にベトナムで働いている居住者に限り、 外国人の不動産購入を解禁したという経緯があります。

最低購入価格はなく複数の不動産も所有可能に

東南アジアでの不動産投資ということでいえば、2015年3月現在、東南アジアで土地付住宅が購入できるのは、マレーシアだけです。

マレーシアの場合は外国人購入最低価格があります。2015年現在100万リンギット(約3300万円、1リンギット=33円)となっています。 つまり、投資としてのハードルはかなり高いといえるでしょう。

ベトナムの場合は、外国人の最低購入価格がありません。300万円からでも投資が可能なのです。 しかし、ここまで書いてきたように、今後は急激に不動産価格が高騰すると思われます。

2013年後半から2014年にかけて上昇基調にあるのは、住宅法改正の情報を得たベトナム人が、将来の値上がりを期待して投資しているからだといわれています。 そして今回、ベトナム国会で住宅法の改正案が可決されたことによって、その流れは一段と強まることが予想されます。

また、議論の中で白熱していた、個人で購入できる物件数の制限が、全体戸数の割合となり、複数の不動産を所有できるため、一層の価格上昇に繋がると思われます。 なお、外国人が個人で購入できる物件数については、コンドミニアムが物件総戸数の30%まで、戸建て住宅が一地域(Ward単位)の250戸までとなっています。 2015年6月までの法律では、1人1戸までという制限でした。

現に、この住宅法改正の発表を受け、2014年12月に販売開始されたベトナム最大のプロジェクト「セントラルパーク」C1、C2棟は、わずか1か月で完売しました。 その人気ぶりはすさまじく、2015年1月には10%の高値で転売されていました。

この時は、私には購入資格がなかったのですが、同年2月には、住宅法改正前外国人対策として、50年賃貸権売買が解禁になりました。 賃貸権とは、在留ビザがなくても購入できる権利です。

そこで、私も購入すべく販売会場に足を運んでみると、あらかじめ登録された人だけのプライベート会場に100人くらいの人が集まっていました。 そこでの説明は、人気のある1ベッド(1LDK)はセリ(高値を付けた人が落札)、2ベッド(2LDK)は抽選という販売方式でした。札を入れたのはベトナム人ばかりで、 日本人は私たちだけでした。

私は2ベッドに札を入れましたが、同じ部屋の希望者が4名いたため抽選から外れ、残念ながら購入はできませんでした。 この棟も完売すれば10%以上の高値で販売できると思います。

抽選が外れたのは残念でしたが、われわれ以外の外国人が1人もいなかったことを考えると、まだまだ情報をつかんでいる人が少なかったのだと思います。

その後、2015年1月に公示価格の見直しがありました。そのため1月1日から新たな公示地価(路線価)が適用されたことを受けて、 不動産業者に土地の販売価格を引き上げる動きが広まっています。新たな公示地価は、前年に比べて平均1.5〜1.6倍の上昇となっています。

現在でもこの状態なのに、2015年7月からは、外国人が土地付住宅を購入できるのです。さらに地価上昇圧力が高まることは、簡単に予想できます。

By Espacio

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2018年11月29日更新

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